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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『酪農の労働者不足を最先端ロボットが解決!』

酪農の労働者不足を解決するアストロノート

 

【減少する日本の酪農家】
日本の酪農家数は、現在、1万5700戸です。
もっとも酪農家数が多かった昭和38年(1963年)の41万8000戸と比べると約1/26にまで激減しています。
また平成の30年の期間で約1/5に減っています。
これは年間約700戸が廃業している計算になります。

このまま酪農家が減少していけば、日本の酪農家はいなくなってしまうかもしれません。

この酪農家の減少の原因が、重労働、長時間労働などによる後継者不足です。

 
【酪農の主な仕事】
酪農における主な仕事は、
牛舎の清掃。
餌やり。
搾乳。
子牛の哺乳。
餌作り。
牛の世話(ブラッシングなど)。

があり、労働環境は長時間労働が当たり前で、しかも重労働です。
朝から深夜まで仕事をしなければならないのが、いままでの酪農でした。
特に搾乳などは、重い搾乳機を持ち運びながら一頭一頭腰をかがめながら搾乳していきますので、腰への負担が大きくなり、多くの酪農家が腰を痛めてしまいます。
また、牛は生き物ですから、休日も思うように取ることが出来ません。

そんな重労働、長時間労働を嫌って就職先に選ぶ人は皆無となり、親から子へと事業を受け継ぐケースがほとんどです。
それでも、体を壊したり、廃業したりする酪農家が増え続けているのです。


【最先端の酪農】
〈清水牧場の取り組み〉
そんな過酷な酪農を楽にしてくれる最先端ロボットがあります。
それは「ミルキングロボットのアストロノート(搾乳ロボット)」です。
東京都で唯一「アストロノート」を稼働させている清水牧場では、現在125頭をたった3人で運営しています。
通常、125頭の牛の牧場を運営していくのに必要な従業員数は6~7人と言われています。
しかし、清水牧場はその半分のマンパワーで運営しています。
その秘密が「搾乳ロボットのアストロノートなのです。

通常の牧場では、牛を柵に紐でつないで飼っています。
このやり方を「つなぎ飼い」と言い、全国の約7割で行われている一般的な飼育方法です。

この「つなぎ飼い」の場合の搾乳方法が「パイプラインシステム」で、人間が牛のいる場所に行って一頭一頭搾乳していく方法です。
逆に牛は動き回ることができません。
また餌やりも人間が牛のところへ行ってやらなければならないのです。
人間が重い搾乳機を抱えて移動して苦労する。
(一般的な搾乳機の重さは約8㎏もあります)
牛は動けなくてストレスになる。
そんな状態がいままでの酪農のやり方です。


しかし、「アストロノート」を使った酪農は牛が牛舎を好きに動き回ることが出来ます。
これを「フリーストール(放し飼い)」といいます。
フリーストールの特徴は、牛が自由に動き回れるので、牛のストレスが減り、人間の仕事も減るというメリットが生まれることです。
牛は、自分たちの意思で勝手に餌を食べ、水を飲むので餌やりなどの仕事が減り楽になるのです。
また、牛のストレスが減ることで乳房炎に掛かったり足を腫らす牛がなくなり、乳質も向上したといいます。


〈ミルキングロボット「アストロノート」の仕組み〉
1 牛舎内を自由に動けるため、乳が張ったら牛が自分で歩いて搾乳機にきます。
  (搾乳する場所の先端には「美味しい餌」があるためそれを目当てにもします)
2 牛が入ってくると、ミルクを出しやすくするために乳頭をマッサージします。
3 搾乳機が牛の乳頭の位置を赤外線レーザーで確認します。
4 乳頭に搾乳機を装着してミルクを搾ります。
5 搾り終ると出口が開き、牛が搾乳機から離れます。

牛も心得たもので、乳が張ってくると勝手に搾乳機に入っていきます。
搾乳機は一頭一頭行うため、ときには搾乳機の前に牛の行列ができることもあるそうです。

さらにこのアストロノートは24時間稼働しているので、牛が自分の好きなときに搾乳することができるのです。
(おもしろい!)

ですから、酪農家の従業員が寝ているときでも搾乳が出来てしまうのです。
(すごい!)

実は酪農の仕事の中で最も時間を取られる作業が搾乳なのです。
100頭の飼育数の場合は、搾乳に3時間以上かかります。

アストロノートの優れたところは、搾乳だけではありません。
牛の首にICチップが取り付けられているので、個体識別と個体のさまざまな情報が管理できます。
一日の乳量と搾乳機に入った時間などを把握してくれます。
搾乳量や牛の活動量まで把握してくれます。
さらに搾乳の期待値などを予測することが出来ます。


〈栃木県のある牧場〉
栃木県にある牧場では牛71頭をたった2人で運営しています。
それが可能となったのも「アストロノートA4」を導入したからです。
しかもこちらの牧場は女性二人で男手なしの牧場です。
アストロノートは1リットルを搾乳するのに約30秒で行いますので、人間の負担が大きく減ったことは酪農を続けていくことにつながります。

こうした搾乳ロボットの導入は進んでいて、現在日本国内で約300台が稼働しています。
世界でみると、42か国で22、000台が導入されています。
ちなみにアストロノートは、オランダ製です。

 

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【今後の酪農の在り方】
酪農の仕事は、腰への負担が大きく腰痛でリタイヤする酪農家が多いのです。
それを自動で搾乳してくれるミルキングロボットのアストロノートのおかげで大幅に負担が減り、休日も取れるようになります。

このやり方だと酪農を少人数で運営していくことが可能です。

今後、増々こうした搾乳ロボットが増えていくでしょう。

現時点では10年以内に酪農の牧場は、ほとんどがロボット化されることが予想されています。
同時にAI化が進み、一人か二人の家族経営でも何百頭もの乳牛を飼育することが可能となるでしょう。

さらにAIが搭載されると、「搾乳」「餌やり」「病気・健康管理」などをAIが担うことになり人間に必要なことがほとんどなくなります。
そのうち牧場の現場に行く時間はほんのわずかとなって、あとの時間はAIから送られてくる情報をチェックするだけとなり自宅や事務所で仕事をするようになるかもしれません。

遠隔操作が可能となれば、旅行に出かけながら牧場の様子を把握して、指示を与えることも出来るようになるでしょう。

もっと言うと、AI分析によりどんな飼料を与えればどんなミルクが取れるかをAIが教えてくれるようになるでしょう。
AIによって高品質のミルクが搾乳出来る可能性が高いです。

そうなると、いまは減りつつある酪農家も未来には増加するかもしれません。

UターンやIターンして、一人か家族だけで酪農を始める人が現れてくるかもしれません。
定年を迎えた高齢者でも未来の酪農であれば十分やっていけるかもしれません。

 

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【AIやロボットは人手不足を解消する】
AIやロボットというと、人間から仕事を奪っていくイメージが強いかもしれませんが、今回のケースのように人手不足を解消するには大いに役に立つのです。

むしろこれからの社会を支えていくためには人手不足を解消するロボットやAIの存在は欠かすことが出来なくなります

今後、人手不足の問題を抱えている業種は、ロボット化やAIの導入を本格的に進めていくことでしょう

時代はどんどんAI社会、ロボット化に進んでいます。


お読みくださり、誠にありがとうございました