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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『働き方改革!過労死を無くせ!』

日本人の働き方を変えよう!過労死を無くせ!

 

【働き方改革とは?】
2019年4月に働き方改革の新しい法律が施行されました。
それで日本人の働き方は変わるのでしょうか?

日本は1950年代から高度経済成長によって急速に成長し、経済大国へと昇り詰めました。
バブル時代には「24時間戦えますか?」なんて言うCMが流れたりしていました。
「ガムシャラ社員」などと言う言葉も生まれていました。
ガムシャラに働くからガムシャラ社員。
朝から晩まで仕事、仕事、仕事に追われる生活。
家庭を返りみないで、それこそ仕事漬けの生活をして、子供の寝顔しか見れない父親がたくさんいました。
そうした世代の人たちが汗水たらして頑張って働いてくれたからこそ、日本は経済大国になり、豊かな暮らしができるようになったのです。

しかし、現在の日本は物資に恵まれ、モノにあふれた豊かな国となりました。
1950年代は、戦争によって物資が不足し、日本人の生活は困窮しました。
そこから立ち直るために日本人はガムシャラに働いてきたのです。

1990年代では、世界の企業の時価総額ランキングに7社ほどがベスト10入りするほど、日本企業は世界に影響力を持つ国になったのです。

そこには豊かさを求める欲求がありました。
ちょっと古い話しですが「三種の神器」という電化製品を手に入れるのがステイタス(憧れ)だった時代があります。
三種の神器とは、「白黒テレビ」「洗濯機」「冷蔵庫」のことです。
映画「三丁目の夕日」にあるようにテレビ放送を自宅で見れる家庭は少ない時期があったのです。

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そうした電気製品を買うためには、やっぱり働かねばなりません。
豊かな暮らしを求めて、ガムシャラに働いた時代があったのです。
ちなみに1960年代のイザナギ景気の時には「新三種の神器」と呼ばれる電化製品「カラーテレビ」「クーラー」「自動車」が国民の憧れでした。

戦後の焼け野原から立ち上がった日本人は、豊かさを求めて働いてきました。

現在、国民全体が“欲しくてたまらない製品(商品)”ってありますか?
スマホでしょうか?
でも、スマホも相当普及しています。

そう、物質的には日本は豊か過ぎる国へと変貌を遂げたのです。
ですから、フードロスなどという問題も起きてくるのです。

物にあふれた日本人はガムシャラに働く理由がなくなったのです。

そしてもう一つ問題なのは働きすぎによる過労死や過剰なストレスによるうつ病などが社会問題となっているのです。

そうした社会問題を解決するために「働き方改革」が叫ばれているのですが、政府主導の働き方改革のポイントは3つです。

 

POINT1:長時間労働の是正
これまでの労働基準法では、時間外労働の制限がありませんでした
これが2018年の改正によって月45時間・年360時間までと法律によって上限が設けられました
これは臨時的な特別な事情がなければ守らなくてはならない法律です。
ただし、臨時的な事情があって労使が合意した場合は、年間720時間の時間外労働が出来るというものです。
(その場合は、時間外労働+休日労働を合わせて月100時間未満、2~6ヶ月平均が80時間以内とする)
重要なのは、時間外労働が法律によって制限されたということです。
これによって雇う企業側には法令順守の義務が発生し、働く社員には不当な労働要求を拒否する権限が与えられたということです。
(ただし、初めは大企業からの施行で中小企業へは1年の猶予があります)


POINT2:正規・非正規社員の処遇差の解消
よくニュースで取り上げられていますが、正社員と臨時社員(派遣社員・パート社員)との賃金格差が問題とされてきました。
同じ仕事をしているのに、賃金に差があるということは確かにおかしなことです。
これはいままで雇う側の論理が強かったということなのです。
正社員はわが社に忠誠を誓って長く働いてくれるのだから多く賃金を出し、臨時で働いている社員はいずれいなくなるのだから、少し安くてもいいだろう。
という階級意識、コスト意識が実は隠れていたのです。
これは差別意識と言ってもいいのです。


POINT3:多様な働き方の実現
いままでの就業形態は、みんな同じ時間に出社して同じような机に座り同じ業務をこなす、そんな働き方でした。
それがいま崩れようとしています。


【過労死問題】
ガムシャラに働くとどうなるのか?
肉体は疲れ果て、挙句の果てに生きていくことが嫌になります。
その先にあるのは「過労死」です。

 

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過労死が正式に認定されたデータがあります。
1997年に過労死と認められた人は約50人。
2001年までは100人もいませんでした。
ところが2002年から急激に過労死が増えます。
2002年から2008年まで200人以上の方が毎年過労死しています。
2009年には約170人に落ち込みましたが、2018年まで推移はするものの毎年150人以上が過労死の認定をされています

このデータは正式に過労死した人のデータですから、過労死として認められなかった。
あるいは突然脳や心臓の病気で命を落とした人の中で過労が原因だと気がつかなかった人、過労が原因だと認定されなかった人も実際は存在していると思われます。
そうした人の数は含まれていませんから、実際は過労死している人の数はこの何倍かあると思われます。
さらに、過労死まで至らなくて精神疾患(鬱病など)や仕事がキツ過ぎて退職(転職)した人などがいるはずですから、働き過ぎによる被害者は数倍、へたすると数十倍に膨れ上がるはずです。

もう、高度経済成長期のときのようにガムシャラに働く時代ではなくなったのです。
それは裏を返せば、経済的成長を遂げてしまったので、これからの日本が大きく経済成長をするとは日本のほとんどの人が思っていないということです。
ですから、「そんなにあくせく働かなくてもいいんじゃないの」となるのです。

 

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それにしても働く目的は、収入を得て、家族を養い生きていくためのはずです。
それなのに働きすぎて命を落とすということは、なんと理不尽なことなのかと、やっと日本人は気がついたということです。

働き過ぎということの裏には、人間性の尊重を軽視するという思考が隠れています。
それは雇う経営者側はそうだし、働く労働者もどこか自己犠牲的に会社に尽くして生きてきたのです。

それがいまは、「人間の尊厳」が取り戻される時代となってきたということです。
プラス「個」を大事にする世の中になってきたのです。
高度経済成長期には、集団の力、つまりみんな一致団結してまるで戦争に行く兵隊のように企業兵士となり戦ってきたのです。
そこには「個」という概念がなおざりにされていた側面があったのです。
それが「個の自由」が認められる時代に変化してきているのです。


【働き方改革を進める背景】
働き方改革を進めている背景には何があるのでしょうか?
一つは時代的な価値観の変貌です。
仕事中毒という人種はすでに絶滅危惧種となっています。
仕事だけして人生を過ごそうと考える若者はほぼいないでしょう。
昭和の経済成長期のように、夢中で働いて隣の家よりも早く電化製品を購入しようなどという願望はありません。
すでに家中に便利なものはそろっています。
豊かさはすでに享受しているのです。
豊かな生活を求めてガムシャラに働く必要はないのです。

もう一つは、AIやロボットの劇的進化なのです。
人手不足なのに社員に休みを取らせたり、労働時間を短くしたら事業経営が成り立たなくなるのではないか、と思う方もいると思いますが、その考え方が古いのです。
これからは週休3日の時代がやってきます。
それを可能にするのがAIであり、ロボットなのです。
AIの進化、ロボットの導入によって労働者(人間)の負担が大幅に減り、多様な働き方が可能になる時代がこようとしているのです。


【個人的な意見】
働き方改革は、企業の経営の在り方を改革するものでもあります。
経営者が従業員をどう見るのか、ということが重要です。
単なる使用人という考え方では今後の企業運営はできなくなっていきます。

AIロボットの登場で、人間の仕事が奪われるという見方もありますが、別な見方をすれば、人間の働く時間が減るということを意味しているともいえます。

労働時間が短くなり、自分の趣味や副業、育児などの時間が増えることになるともいえます。
過労死ほど、人間の尊厳を損なうものはないと思います。

仕事だけの人生でない、そんな生き方が出来るようになるのが21世紀の働き方となるのです。
「趣味がない」なんて言わないでくださいね。
「仕事が趣味だ」とおっしゃる方は、副業でも見つけてください。


お読みいただきありがとうございました。