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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『自殺者はなくならない?』

日本でいま自殺者がどれくらいいるか知っていますか?

 

【日本における自殺者の現状】
〈自殺者の数〉
昨年(平成30年)における日本国内における自殺者は、20,840人です。
これを多いと考えますか?
それとも少ないと考えますか?

実は平成22年から9年連続で自殺者の数は減っています
平成10年に自殺者の数が3万人を超え、平成21年まではずっと3万人を維持し続けていました。
ざっくりと計算してもその12年で36万人がみずから命を絶っていることになります。
これは異常です。
年間3万人というのは、もはや戦争をしているようなものです。

9年連続で減り続け2万人になったと言っても、その間18~20万人が亡くなっているのです。

これは大きな戦争を何年も続けているのと変わりません。

 
〈男女比〉
平成30年の自殺者の男女比は、
男性が14,290人女性が6,550人圧倒的に男性のほうが多いのです。

〈職業別〉
平成30年の自殺者における職業別の割合は、
「無職」・・・11,766人
「被雇用人」・・・6,447人
「自営業・家族従業員」・・・1,483人
「学生」・・・812人

〈原因・動機〉
平成30年の自殺者の原因および動機は、
「健康問題」・・・10,423人
「経済・生活問題」・・・3,432人
「家庭問題」・・・3,147人
「勤務問題」・・・2,018人

(警視庁自殺統計データより)

ここから読み解くと、自殺する理由が仕事を失って「無職」となり、収入を失うことで生活の不安や苦しみから健康を崩し、家庭が崩壊し、自殺に至るという大きな流れがあることが分ります。


男女平等な社会と言っても、まだまだ男性が女性を食べさせて家庭を支えるという風潮が大多数をしめていることから、男性は収入を失うことの経済的打撃から大きな精神的ショックを受けてしまい、死を選択していることが読み取れます。

男性は追い詰められると、自尊心が保てなくなって死を選ぶことがあるのです。


【海外に見る自殺者数】
WHOの調査によれば、世界中での自殺件数は年間80万人という報告があがっています。

また、近年ではアメリカで自殺者が増加する傾向にあり、2016年には約45,000人もの自殺者がいるのです。

日本とアメリカは人口数が大雑把にいって2倍の差がありますから、アメリカの45,000人と日本における20,000人では、人口に占める自殺者の割合はほぼ同じとなります。


【AIによる取り組み】
アメリカのAIによる対策〉
自殺者が増加しているアメリカではすでに自殺者をAIで認識して対処するシステムが始まっています。

AIには、自殺者や鬱病などの人が発しやすい言葉を学習させておきます。
そして、ある人がSNSやメールなどで「死」に関する言葉や会話を発するのをチェックしています。
そして、自殺につながる言動が見られるとAIが反応し、対策チームに連絡が入り、自殺者のもとへ行って自殺を止めさせるというシステムとなっています。

ですから、SNSやブログなどのネット上で「死にたい」などと発言すると、いきなり自宅に対策チームが押し寄せてくるのです。

日本ではこうしたシステムがまだないようですが、一日も早く導入することを願います。


Facebookによる自殺防止〉
Facebookは、全世界(EUを除く)でAIを使用しての自殺防止対策を展開しています
それは「自殺」や「自傷行為」をほのめかす投稿を検出すると、内容の緊急度を判断した上で対応する専任チームが対処に当たります。
その専任チームは全世界で7500人もいるそうです。


Facebookは、文字情報だけではなく、画像、動画もすべてチェックしています。
緊急性があれば駆けつける、警察などに通報するなどの行動をします。
緊急性がなければ、支援を提供するメッセージを送ったりします。
このFacebookのAI防止対策をアメリカで試験導入したところ、1ヶ月で100件以上の自殺の可能性がある投稿を見つけたといいます。

 

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【個人的な願い】
この問題は、あまりにも大きくて、深すぎて一度では話が尽きません。

しかし、日本人であろうとアメリカ人であろうと自殺を考える理由に大差はありません。

わたしは基本的に地上で生きている人はみな「死にたい」とは思っていないと思っています。
(テロリストなどは別)


本当のところは「死ぬ」ではなくて、どうしようもない状況によって「死ぬしかない」と追い込まれたことにより死に到るのだと思います。

つまり、「生きていくことが出来ない」「生きていることがあまりにも辛い」そういった状況に立たされたことで「死」を選択してしまうのだと思います。

人が自殺したくなる状況とは、大きく分けて二つだと考えます。
1 仕事(収入)を失って経済的に生きて行けなくなるという物理的な理由。
2 離婚や孤独、人間関係のトラブルなどの精神的な理由。

もしこの物理的要因と精神的な要因が重なったら人は生きていけるのでしょうか?
つまり、仕事を失い収入がなくなり、家族とも離れて孤独となったときに生きる力が湧いてくるでしょうか?

わたしには自信がありません。

こうした自殺者を救うまたは自殺者を作らない対策としての国の制度はあまりにも力不足だと思います。
雇用保険は、以前の収入の7割くらいしか支給されませんし、条件や期間も決められています。
長らく続く不況に年老いた政治家の力は無力に等しい。

AIがこの自殺者を減らす対策となるのは、自殺者の発見のところですが、自殺者を発見しただけでは自殺者を無くすことは出来ません。
つまり、AIが出来ることは自殺者対策のほんの入口だけなのです。

自殺を考えた理由そのものが解消されない限り自殺を考える人は自殺予備軍のままです。
AIが自殺傾向を事前に発見した後に、人間のフォローが無ければ意味がありません。

今後、いまある職業のうち大多数がAIに取って代わられることが予想されます。
すると経済が好景気にならない限り激変する社会の中で仕事を奪われた人たちが自殺を選択することもあり得ます。

そんなときにAIロボットでも隣にいて、慰めてくれればいいのですが、それにはまだ時間が掛かりそうです。
また、病気で働けない人間の代わりに働いて稼いでくれるAIロボットがいてくれれば、安心して病院のベッドで養生できます。
それもまだ時間が必要です。

個人的な意見としては、AIが自殺者を減らす対策として使われることは間違いないと思いますが、AIやロボットが主流になるのではなく、あくまでも温もりを持った人間が中心となって対処するべきだと思います

成功へのチャンスは大いにあるべきですが、弱者に手を差し伸べ、なおかつ生かすきっかけや方法を与える社会であって欲しいと思います。


お読みいただきありがとうございました