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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『テロリストを見抜く顔面解析』

もし、顔を見られただけで、あなたの心を見抜かれたらどうしますか?

 

【テロリストを特定する顔面解析】
2016年、イスラエルのスタートアップ企業が人の顔を解析することで、肉眼では判別できない内面の感情や人柄を割り出す技術を開発しました
この顔面解析AIを「フェイスプション技術」と呼びます。
(開発したフェイスプション社の社名からきています。)

この顔面解析AIは、15種類の分類指標を用いることで、80%の精度で人間の特性を評価できるというのです。(まだ完全ではないのです)

人間には「微表情」というものがあり、ほとんど本人が自覚せずに自然としてしまう顔の表情(動き)があるのです。

それはほんのわずかな口の動きだったりするので、見る側はついつい見逃してしまいます。
それと微表情をしている側の人にとっては“癖”のように染みついたものなので、本人は感情を出している自覚がほとんどありません。
それと素人にはそれがどんな意味を持つのかという知識がありません。

アメリカなどではこの「微表情」を読み取る専門家がいて、捜査に協力したりしています。
また捜査手法のひとつでもあります。
「微表情」として現れる微かな口や目などの動きにその人の気持ち(思考)が現れてくるのです。
わたしたちは普段そうしたことを、まったく気にしていませんが、実は顔というものを通してメッセージを発しているのです。
そして、「微表情」には、人類に共通しているので国籍や肌の色などは関係ありません。

顔面解析AIがやろうとしていることは、この微表情を読み取っているのです。

 
フェイスプション社は、この顔面解析AIを使ってポーカー大会の優勝候補を予測するという試みをしています。
結果は、50名の参加者の中から顔面解析AIが選んだ2名が決勝に進出した3名に含まれていたといいますから、高い確率で当たったことになります。

この顔面解析AIの現時点で考えられている主な使用目的はテロリストの判別です。
ロシアでは、すでにこうした顔面解析AIによってテロリストを監視しています。

他にも「ホワイトカラー層の犯罪者」「外交的な人間」「小児愛者」「天才」などを特定できるといいます。
(本当か?)
天才をどうやって見抜くのでしょう。
それが分れば子供を持つ親御さんはみんな我が子に顔面解析をするかもしれませんね。
結果は別として。

この技術によって空港や駅、街中を監視することによってテロを未然に防ぐことができればこんないいことはありません。
日本でも来年のオリンピックにはこのシステムが密かに稼働していることになるでしょう。

 

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【多様化する顔面解析】
スペインの研究者がサーモグラフィックカメラを利用して、「恋をしているか」を客観的に判別するシステムを開発したそうです。
これが相手に分かってしまったら告白はいらなくなりますね。
でも、それは分からない方がいいのではないかと思いますけど・・・。


また、カリフォルニア大学の研究者らが、人間の表情を正確に読み取れるAIシステムを開発したといいます。
それはなんと、「痛いふり」をしている人と本当に痛がっている人を人間よりも正確に判別できるシステムだといいます。

この研究で行われた実験では、ぬるま湯に数分間手を入れて“痛いふり“をしてもらいます。
その後に、すごく冷えた氷水が入ったバケツに腕を入れてもらいました。
それらの様子をビデオに記録し、人間とAIに本当に痛がっているのか、嘘をついているのかということを見分けてもらいました。
すると、人間の判定では約50%が嘘を見抜くことができました。
それに対してAIのほうは、85%の嘘を見抜いてしまいました。
完璧とはいかないまでも、人間よりも高い確立で人間の表情を読み取ったということです。

 

【すべては顔に書いてある?】
わたしたち人間は、ときに内面の感情を偽ることがあります。
本当は嫌いだと思っていてもそれが相手に分かってしまうことを恐れたり、相手を傷つけてしまうことを気にしたりします。
表の顔と裏の顔を使い分けるのが人間だという意見も多いです。
それは社会の中で生きていくためには必要なことでもあるのです。
会社や職場などで、嫌悪を感じたからといって、あからさまに感情を表に出していたら人間関係は険悪なものになってしまいます。

自分が損をしないためにも相手を傷つけないためにも本心を隠すことがあります。

内心のすべてを普段から全開にして社会生活をしている人は皆無でしょう。
内面というのは、人間にとって一番侵されたくないプライベート情報です。

他人には知られたくないし、知らせる必要のないものがたくさんあります。
それが人間だと思います。

ですが、内面の感情(気持ち)を見られないようにしているのに、顔面解析AIが勝手にこちらの感情を判別してしまうことは、決して気持ちのいいものではないと思います。

韓流ドラマの『奥様はサイボーグ』では、ロボット工学の博士が亡くなった妻そっくりのサイボーグを作ります。
そのサイボーグママ(ドラマの中ではボーグマムと呼ばれていた)は人間と相対すると必ずやることがあります。
それは、顔面解析です。
相手の表情(顔面など)を読み取って分析して、「嫌悪」「疑い」「友好」「嘘」「真実」「怒り」「喜び」などの本人が気づかない感情までをあぶりだしていきます。
一見便利なようですが、これではプライベート情報が丸見えです。

やはり、人間の内面は他人から丸見えになっていない方がいいのです
それでこそ上手くやれることがあるのです。
もちろん、相手の気持ち分らなくて人間関係のトラブルも起きてしまうこともあります。

つまり、他人の気持ちを知りたいと思うと同時に自分の本心や内面のプライベート情報は守りたいと考えるのが人間なのです。

ですが、こうしたシステムを開発している人たちの中は、「微妙な感情を認識することができるAIシステムが近い将来、安価で市場に出回る」と予測しています。


【最新技術に必要なもの】
近い将来、AIやロボットが人間の感情を読み取るようになることはほぼ間違いありません。

しかし技術だけ進歩するだけでは大切な個人のプライベート(内面)を暴き出す凶器となってしまうかもしれません。
そうならないためには一定のルールと倫理が必要です。
顔面解析AIを使用して良いことと使用を禁止することをきちんとルール化しなければいけません。

便利であることは間違いないので、それを“なに”に使うのかということを間違えてはいけません。

〈顔面解析AIが今後使用されるだろうと予測される分野は〉
・障害を持つ人とのコミュニケーションを取る道具として使用する。
・詐欺にあわないために使用する。
・就職面接などで、人物の特性を知るために利用される。
・法廷などで、真実を述べているか虚言を吐いているのかを見抜くために利用される。

このように真実を明らかにする必要がある場面で利用することで、いままでより良い影響をもたらすことが推奨されます。


人間とは、ときに内面を隠し演じることがありますが、それは相手を傷つけない、人間関係を壊さないという理由があってのことです。

基本的に誰かを傷つける「嘘」はいけません
それは本人の自由ではなく、人として間違いです。

そうした誰かを傷つけないでプライベートを守ることは人としての権利であり、必要なことだと考えます。


お読みくださり、誠にありがとうございました