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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『10年後の未来、遺伝子操作は人類を幸福にするのか?』

 

【遺伝子操作は、幸福の扉か?パンドラの箱か?】


生命の設計図を自在に操る“遺伝子操作”の技術は2030年に分岐点をむかえます
遺伝子操作技術は2030年に神の領域に足を踏み入れることになると言われているのです。


2018年、中国の科学者がネット上に公開した動画が世界に衝撃を与えました。
その科学者は動画の中でこう言っています。
「2人の美しい元気な女の子が誕生しました。遺伝子操作を少し行った赤ちゃんです」
その科学者とは、南方科技大学の生物学者である賀建奎(ヘ・ジャンクイ)副教授です。

この科学者が行った遺伝子操作は、受精卵の遺伝情報(ゲノム)をエイズウイルスに感染しないように書き換えたのです。
2人の赤ちゃんは「Luiu(ルル)」と「Nana(ナナ)」と名づけられました。


この科学者が出席した国際会議(2018年11月に香港で行われたヒトゲノム編集国際サミット)では、参加者から厳しい意見が投げかけられました。

質問A
「なぜ、越えてはならない一線を越えたのか?」

質問B
「将来、子どもたち自身が遺伝子操作を知るかもしれないが?」

こうした質問に対して、科学者は「その質問には答えられない」としました。

 


〈なぞの失踪をした賀建奎副教授〉
遺伝子操作をした人間を誕生させた賀副教授がどうなったのか?

賀副教授は、世界中から非難を浴び、中国政府から捜査対象とされ、裁判所から懲役3年の判決を言い渡されました。
また、賀副教授は深圳の裁判所から生殖技術の分野で働くことを生涯にわたり禁止され、罰金300万元(約4700万円)を支払うように命じられました。

現在は失踪して行方不明になっています。 

 

【急速に進化している遺伝子組み換えの技術】


“生命の設計図”であるゲノムの解析技術が急速に進化しています。
人一人分のゲノム(およそ30憶)はわずか一日で解析可能になりました
解析のコストは、2030年には“限りなく0に近づく”と言われています。

ということは、10年後の未来に、あらゆる生命のデータが誰でも手軽に手に入るようになるのです。

 

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バイオコンサルタントのロブ・カールソン氏によれば、ゲノム解析が進めば異なる遺伝子を組み合わせて新たな特性を作り出すことができてしまうといいます。
例えば動物や植物が持つ有用な特性を別の生物に移せるようになるのです。


科学者たちは“新たな生物”をデザインしようとしています。
2019年に日本も参加した国際会議(「GP-write」ゲノム合成国際会議)で驚く発表がありました。

それはある生物を人工的に作り出すことに99%まで成功したというのです。
ゲノム工学の権威であるニューヨーク大学のジェフ・ブーカ教授のチームが完成間近と発表したのは、ゲノムをゼロから組み上げることで生み出した「酵母2.0」と呼ばれる新たな生物です。
自ら増殖を繰り返す酵母2.0を利用すれば新薬やバイオ燃料を効率的に生産することができます。


地球上のすべての生物のゲノムは4種類で成り立っています。
「A(アデニン)」「T(チミン)」「G(グアニン)」「C(シトシン)」の4つの分子です。
ジェフ・ブーカ教授は、この分子を自由に配列し、新たなゲノムを作ることで人工的に酵母を作り出したのです。

つまり、ジェフ・ブーカ教授が行っているのは「ゲノムをゼロから設計する技術」なのです。
ブーカ教授に言わせれば、「ひとたびゲノムの構造が分かれば、さまざまなゲノムを無限に作り出すことが可能になる」ということです。

この技術は人間の創造にも応用されるのか?
という質問に対してこう答えています。
「私たちのチームでは受精卵など人間の生殖に関わる遺伝子操作は行わないと決めています」

しかし、問題はゲノム解析のコストがゼロになるということは誰でも簡単にゲノム解析の技術にアクセスできるようになるということを意味しています。
もし、悪意のある人物が意図的にゲノム編集を行ったらどうなるか?
想像しただけでも恐ろしさを感じます。


映画の世界ではすでに進歩した遺伝子操作の世界が描かれています。
バイオテロとの戦いを描いた映画「M.I(ミッションインポッシブル)」では、人間に抗体の無い新たなウィルスが容易に作れるようになり、リスクが拡散していく世界を示しました。


テクノロジーが人類にどう影響するのかを研究しているオックスフォード大学(人類の未来研究所)のニック・ボストロム所長は、遺伝子操作の技術についてこう警告しています。
「かつて原子力を研究していた科学者たちはその技術が原爆に使われて初めて社会に与える甚大な影響と科学者としての責任を学びました」
「一方、いまだに多くの生物学者は遺伝子操作が誰でも簡単に扱えて幅広く普及すべきだと考えています」
「しかし、私はこの先、監視やアクセス制限のあるより管理されたシステムに移行していくべきだと思います」

 

 

【賀建奎副教授とジェフ・ブーカ教授の違いはどこからきているのか?】


中国は無神論国家です。
一方、アメリカはキリスト教徒が建国した国家です。
賀建奎副教授とジェフ・ブーカ教授の違いはその背景に宗教観があると思われます。
キリスト教では、人類は創造主によって作られた存在であるとされています。
つまり、人間を創造できるのは神のみである、という思想があるのです。

ですが、無神論国家である中国では、そうした神による人類の創造を信じていませんから(国家としては)、単純に科学技術が進歩するならば、その科学を使って新たなる生物を創造してなにが悪いのだ、という価値観になってもおかしくありません。

結局、二人の違いは宗教観の問題であるのです。

 

 

【遺伝子操作が人類に幸福をもたらす方向性】


1. 地球上のあらゆる病気に対する抗体を作ったり、治療に使用することで不老長寿に近づく。

要するに、遺伝子操作技術を医療として扱うということです。
人類を病気から守るために使用することで、人類は長寿または病気知らずの人生を送ることができるということです。


2. 妊娠時に先天性の病気にかかっている赤ん坊の病気を無くすことができる。

生まれてくる前に、なんらかの先天性の病気があると診断された場合に、遺伝子操作技術によってその障害を取り除き、健康体で誕生することができるようになる。

 

 

【遺伝子操作が人類を不幸にする方向性】


1. 人類選別が起こりその格差が埋められないことになる。

富裕層がお金を使って遺伝子操作技術を使用し、通常の人間とは違う能力や肉体を持つようになり、ハイパーヒューマンとなることで遺伝子操作をしていないナチュラルヒューマンと大きな格差が起きてしまう。人類は富と権力を支配する側と支配される側の二極化となってしまう恐れがある。


2. 新たな病原菌が生物兵器として作られる。

生物兵器としてゲノム編集によって作られた新たなる生物(細菌など)は、核兵器と違って明らかに戦争の兵器、あるいは戦争攻撃と認めることが困難です。
あたかも自然に発生した未知なる病原菌であるとされる危険があります。
また、通常の兵器と違って簡単に外国へ持ち出して、ばらまくことが可能となります。
もし、増えすぎた人類を淘汰するために密かに使用された場合、人類は激減してしまう可能性があります。
この場合、抗体や解毒剤などを持つ特定の人間だけが生き残る世界となります。

 

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【科学者に求められるものは?】


一部の科学者は科学の進化(進歩)のみに夢中になる特質を持っています。
科学技術の進歩を自らが行うことのみを科学者としての功績だと考える思考傾向があります。

科学技術の前に、倫理や真理などがなくてはいけません。
科学技術の進歩のみを行った場合、原子力による原子爆弾の誕生のように人類を不幸にしてしまうことに繋がっていきます。


科学には進むべき方向性が必要であり、許される許容範囲がなくてはならないのです。
はっきりしていることは人間を不幸にすることは禁止、一部の人間だけの利益が目的なことも禁止です。

 

遺伝子操作技術の問題は、科学者だけに任せていい問題ではないのです。
すべての人間が関わっていかなければならない問題なのです。

 

 

【個人的な意見】


ゲノム編集の技術は、実は簡単な技術であると言われています。
高校生でも少し勉強すれば出来てしまう技術とされています。
ですから、ゲノム解析などのコストがゼロになったときの世界では、どこかで誰かが新たな生物を密かに作り出そうとしているかもしれません。

それが生物に留まらずに「細菌」や「ウィルス」であった場合は世界中が大混乱となってしまいます。


2020年の今、新型コロナウイルス感染症が世界を混乱の渦に落としています。
この新型コロナウイルスは「生物兵器」であるという情報もあります。

 

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もし、新型コロナウイルスが生物兵器で、特定の人間を死滅させるために作られ、解き放たれたとしたら、決して許されることではありません。
もしかしたら、すでに遺伝子操作技術が使われて人類を不幸にする事件が起きているのかもしれないのです。


遺伝子操作技術を人間に使用することは原則として反対します。
遺伝子操作技術は、病気などの人間を救済する目的や人類の幸福のためだけに限ってその使用は許されるべきであります。


もしかしたら、10年後以降の世界では人々を恐怖に陥れる怪物が出現して人を殺しているかもしれないし、未知の病原菌が人類を襲っているかもしれません。
遠い未来の話ではなく、わずか10年後に世の中は大きく変化するかもしれないのです。
大混乱が起こるのか、幸福な生活が増えるのか、どちらに転ぶ展開もありうるのです。


仮面ライダーはどこにいる?
ウルトラマンはどこにいる?
そう叫びたくなる世界が来ないことを強く願います!

 

お読みいただきありがとうございました。