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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『社会問題となっている供養とお墓事情』

社会問題となっている供養とお墓事情。

 

【ネットでお坊さんを手配できる】
特定の宗教に所属していない、または檀家にもなっていない。
つまり、お寺とお坊さんと繋がりがないので、葬儀や法要のときに困った、という人が最近増えつつあります。
そんな方々に朗報なのが、「お坊さん便」です。
お坊さん便は、インターネットでお坊さんを紹介するウェブサイトです。
ネットのサイトから葬儀や法要の際にお坊さんを手配するサービスなのです。

簡単に言ってしまうと、ネットからお坊さんを手配できるサービスです。


〈お坊さん便のシステム〉
問い合わせがあると、地域、宗派、日程などをふまえて最適なお坊さんを紹介してくれます。
つまり、お坊さんを必要としている人の個人的な事情、日程を考慮して最適なお坊さんをマッチングし、相談しながら決めます。
後はそのお坊さんを決まった日程に派遣してくれるのです。

 
お坊さん便の特徴は、料金がはっきりしていることです。
一般的な葬儀や法要では、依頼する側がお布施という気持ちを金銭としてお坊さんに差し出しますが、いくらお布施として包めばいいのかは、はっきりしていません。
地域や宗派によっても違いがあるため、お布施の金額で悩むことが多いのです。

ですがお坊さん便は、初回3万5千円とお布施の金額が明確になっているので悩む必要がないのです。
費用に関して「お布施の金額が明確化」されているということは安心してお坊さんを依頼できることでもあります。

お坊さん便に登録しているお坊さんは全国各地に現在約1300人のお坊さんが登録されています。
しかも、日本全国に提携しているお坊さんがいますので安心です。

「お坊さん便」は、お寺との繋がりが少ない現代人とをマッチングさせる新たなサービスなのです。
お寺と繋がりがない人でも法要を諦めずに済むのです。


【現代のお墓事情】
一般的にお墓にかかる費用は、墓地使用量、墓石代、年間管理費などで約200万円~300万円ほどです。

お寺にお墓を管理してもらうためには、檀家となってそのお寺を経済的に支援しなければなりません。
檀家として所属したお寺を菩提寺と呼び、お墓の管理、葬儀、法要、供養をそのお寺の僧侶にお願いすることができるのです。

そうしたお墓は代々引き継いでいくのがしきたりとなっていました。
しかし、こうした日本の古いしきたりが崩れつつあるのです。

それは現代人の檀家離れです。
少子化によってお寺に所属する檀家の数が減少しているのです。
つまり、子供の数が減少することによって代々のお墓を継ぐ人がいなくなっているのです。

菩提寺を持たない人が増えてきているため、檀家が減少し、お寺の経営が成り立たなくなっているお寺が増えつつあります。
菩提寺を持っていないといいうことは、亡くなった後に、入る場所(墓)がないことを意味します。

こうした現代の事情によって「無縁墓」が増えつつあります。
無縁墓とは、子供や親族などお墓を守ってくれる人がいなくなったお墓のことです。
つまり、放置されてしまったお墓のことです。

無縁墓がどうなってしまうかというと、利用許可を取り消され、数年で撤去されてしまうのです。
そして、無縁合葬墓に共同の墓として埋葬されることになってしまいます。

 

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〈お墓の問題〉
自分の入るお墓がない。
お墓を継ぐ人がいない。

 
【これからのお墓は】
こうした問題を解決するには、一族の菩提寺という考えではなく、個人のお墓として1代だけのお墓を探すことです。
そうすることで息子、娘には迷惑をかけないというものです。

つまり、家のお墓から個人のお墓にシフトする方向性があらわれているのです。


〈新たなお墓〉
「合同墓」
合同簿とは、どんな人でも一緒に入ることができる共同のお墓です。
先祖代々のお墓がない人でも独り身の人でも入ることが出来るお墓です。
つまり、血縁関係のない人たちが共有して入るお墓のことです。

合同墓は、約5,000人の納骨が可能で、1人3万円の費用で済みます。年間管理費はありません。


「グループ墓」
こちらのグループ墓は、合同で利用するということでは合同墓と同じですが、違いは友人や趣味仲間などがひとつの団体となり、その仲間の誰かが亡くなったら家族に代わって供養したり、納骨したりして、亡くなったあとも一緒になりましょう、という新しい価値観で発想されたお墓のことです。


樹木葬
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花をシンボルとするお墓です。
跡継ぎを必要とせず、個人や夫婦で入る人が多いようです。
お墓のデザインは多種多様で、小さめの平らな(石の蓋)墓石の周りを好きな花(植物)で囲むことができます。
普通、お墓って無機質ですが、この樹木葬(墓)はお花畑にお墓があるような華やかさがあります。


【送骨サービス】
入る墓がない場合に、遺骨を「見性院」というお寺に送れば、お寺のほうで合同墓にいれてくれ、永代供養してくれるサービスがあるのです。
(料金は3万円)

このサービスを利用する人たちは、身寄りのない人、墓じまいをした人たちです。
こうしたサービスを利用する人たちが年間100~200人もいるそうです。


孤独死の問題】
現在、孤独死の数は増加傾向にあります。

1999年に665人だった数が、2017年には2,480人まで増えてしまいました。
これは約4倍に増加したことになります。
この孤独死は今後も増えることが予想されています。

身よりもない人が孤独死をした場合、地域の自治体により火葬されます。
その後引き取り手がなければ、一定期間保管され、それが過ぎると自治体が運営する無縁墓地に埋葬されます。

この孤独死の方の悲しいところは、孤独死をした故人の名前が分っているにも関わらず、生前の意思を聞かないで無縁の納骨堂に入れてしまうことです。

孤独死じたいが悲しいことなのに、死んだ後までぞんざいに扱われ孤独に置かれていることは、とても悲しい出来事です。


【人と人の絆の問題】
人が死ぬこと、葬儀、供養、お墓という問題は結局、家族を中心とした人間関係の問題なのです。

家族の関係が気薄になっていること。
少子化により高齢の親の面倒を見ることが出来ない人が増えていること。
多様化する社会の価値観により、二世帯、三世帯で暮らす家庭が減少したこと。

そうしたことで、若者に限らず高齢者の一人暮らしが増えた結果であると思います。

便利な社会となったことで家族に頼らず生きていけるため独り暮らしが容易になっている。
それと少子化個人主義によって孤立する人が増えていった結果が、こうしたお坊さん、お墓の問題として現れているのです。

個人的には、二世帯、三世帯が一緒に暮らす生活スタイルが良いのではないかと思います。
そうすれば孤独死は減ります。

ただ、お墓の問題は少子化、人口減少という大きな社会問題なので、新たな仕組みを構築する必要があります。

人間誰でも、人生の最期である自分の葬儀、供養、納骨などのときに家族や友人たちから見守られ愛情を注がれることが、なにより望むことではないかなぁ、と思います。
わたしなら、誰にも見守られず、誰にも供養してもらえず、無縁墓に入るのは寂しすぎると思います。

 

お読みいただきありがとうございました。