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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『救うのはどっち? 人とロボット』

あなたは人命救助とロボット救助が同時に起きたらどちらを救いますか?


【人間とロボット、どちらを救う?】
ある研究によると、ロボットやアンドロイドが人間に似てくれば似てくるほど親近感がわいてくるという結果が出ています。

また、ある実験では、「普通の人間」「人間に似せられたロボット」「はっきりと機械とわかるロボット」の中で誰かを犠牲にしなければならない状況が起きたときに人間が取る行動とそのときの感情を調べたものがあります。

その実験では、ロボットが人間のような感情をもつと事前に説明されています。
すると、参加者の多くが人間の怪我人を犠牲にすることをいとわなかったという結果がでたのです。

また、ロボットが人間っぽく見えれば見えるほど参加者はロボットを犠牲にすることをためらうようになったといいます。

すなわち、参加者はロボットを道義的な存在として認知したことになります。

う~ん!
これはどうかな。

この結果でわかることは、人間がロボットに対して人間と同じような思考と行動をする存在だと認識すると、見ず知らずの人や肌の合わないと感じる生身の人間のほうを犠牲にしてしまうということが分ったのです。

どうしますか?
数年後、十数年後に災害や事故などが起きたときに、あなたよりも居合わせたロボットのほうを優先的に救出されたとしたら?

ただ、現在のロボット、アンドロイドには「不気味の谷」と呼ばれている人間が不快に感じる感情が生まれることがあります。
ロボットやアンドロイドが徐々に人間に近づいているのですが、生身の人間から見るとどこか違和感を覚えるのです。
それは恐怖に近い感情です。
それが「不気味の谷」です。

やがてその「不気味の谷」も解消されていくでしょう。
ですから、今後ロボットの技術、AIの進歩によって人間とほとんど見分けがつかなくなったロボットやアンドロイドが出現したときに、人間の感情がどのようになるのかが問われるときがやってきます。

 

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【人間はロボットの命乞いをどうするのか?】
ドイツで行われた実験では、学生たちにかわいらしいロボットとスケジュール作りをやらせました。
しかし、実験の目的は別にありました。

そのロボットは「NAO」という小さくて愛らしいロボットです。
数体の「NAO」にそれぞれ独自の個性を与えます。
礼儀正しく献身的で人間らしい反応をする「NAO」もいれば、素っ気なく投げやりでいかにもロボットの反応を見せる「NAO」もいます。

学生たちは一緒に作業するうちに「NAO」に人間と接するときのような感情を抱いていくのです。

似せの課題が終了して、学生たちに愛らしいロボットの電源を切るように指示します。
スイッチを切られるときに「NAO」の半分はなんの反応も示さない、残りの半分は抗議するようにプログラミングされていました。
その反応は「暗闇が怖いよう」「どうか切らないで」などと命乞いのようなことまで言い出します。

そのとき学生たちがどうしたかというと、「NAO」の命乞いを聞いた参加者の13名(86名中)がスイッチを切ることを拒否したのです。

また、「NAO」に命乞いされた参加者は、「NAO」がなにも反応を示さなかった参加者に比べて、スイッチを切るまでの時間が平均で2倍近く長くかかったといいます。

そう、ためらったのです。

スイッチを切ることを拒否、または躊躇した理由を訊ねると「ロボットが可哀想だった」「命乞いされて間違ったことはしたくないと思った」などと回答しています。

これは明らかに共同作業をしたことによって共感能力が働いてしまったことと、ロボットが人間のように思考し話しかけてくることで、ロボットを単なる機械とみるのではなく、道義心をもって扱わなければならない存在として認識してしまったことを示しています。

このように、人間は人間に近づいてきているロボットに愛情を感じてしまうのです。
そのこと自体は問題ありませんが、人命救助でそれをされたらたまりませんよね。

そんなこと起こらないという方もいらっしゃると思いますが、はたして可能性は0%でしょうか?

そのロボットが国民のアイドル的タレントのような存在だったら。
特殊な能力をもった貴重なロボットだったら。
ロボットやアンドロイドにも人権や市民権が与えられるようになっていたら。
そうしたときは人間とロボットのどちらを優位すればいいのでしょうか?

人権を持ち、市民権を持つロボットの救出を後回しにして、後々法によって裁かれたらどうしますか?

未来社会では、ロボットやアンドロイドたちが自分たちの意思によって、人間と同じ権利を求めてくるかもしれません。
「われわれロボットを人間と同等に扱え」と。

これは、怖い!


【個人的意見】
現在のいまだ人間そっくりとは言えないレベルのロボットにさえ愛情を持つのですから、本物の人間と見分けがつかなくなったら、ロボット可愛さで本物の人間を見捨てることも十分ありうるかもしれませんね。

例えば、恋人ロボットと一緒に電車やバスなどで移動中に事故にあった場合、他の乗客と自分の恋人ロボットとどちらを優先的に救いますか?

そのときロボットは機械だからと言って、赤の他人の救出を優先することが出来るでしょうか?

迷うと思いますよ。
でも、一瞬だけ迷うか。
それとも迷った末にロボットを優先的に救出するか。
迷った末に赤の他人の人間を優先するか。
それとも迷わず赤の他人の人間を優先して救出するか。

わたしとしては、赤の他人であっても、見た目が悪人に見えたとしても、やっぱり人間を救出したいし、他の人にもそうであって欲しいと思います。

ロボット、アンドロイドと人間が共存する社会が来ても、生命を持つ人間と生命を持たないロボットとの違いをいい意味で分けて認識することが大切だと思います。

この問題は、未来社会で巻き起こる論争の種となると予測されます。

なによりも、命ある人間を第一に考える社会であって欲しいと思います


お読みくださり、誠にありがとうございました