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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『高齢ドライバーによる事故の問題』

高齢ドライバーによる事故は社会問題

 

【悲惨な事故を起こす高齢者による交通事故】
2019年春、池袋で信号を横断中の自転車に乗る親子(母親と子供)が高齢ドライバーの車が引き起こした事故で命を落とすという悲惨な出来事がありました。
他にもその前後で10人に重軽傷をおわすというなんともやるせない事故でした。

他にも高齢ドライバーによる事故が何件も起きていることはニュースなどで報道されている通りなのでご存知の方が多いでしょう。

被害者の方が言っていたように、こうした事で味わう苦しみは「生き地獄」です。

愛する家族が突然命を落とし、いままで暮らしてきた空間から消えてしまうことは心を引き裂かれるほどの精神的な痛みなのです。

こうした悲惨な出来事を無くすために、高齢ドライバーやその家族だけでなく、社会全体で考えて行かなければならないと思います。
あらゆる方面からさまざまな立場の人たちが真剣に考え、こうした悲惨な事故が起きないように技術や方法を見つけ出して解決する努力をしていかなければなりません。

なぜならば、今後ますます高齢者が増加する社会となっていくからです。

 
【増え続ける高齢者の割合】
総人口における65歳以上の高齢者の割合は約28%です。
つまり、4人に1人が65歳以上の高齢者ということです。

現時点での予測では、2036年には3人に1人が高齢者となるといわれています。

高齢者の免許保有者数に関しては、平成28年末で8221万人、このうち75歳以上の免許保有者数は513万人となっています。
これは75歳以上の人口の約3人に1人が車の運転をしている、ということになります。

 

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【高齢ドライバーの問題点】
人間歳をとれば誰もが衰えます。
加齢により、身体能力は間違いなく衰えます。
特に車の運転ということに関していえば、動体視力の低下、聴力の低下、複数の情報を同時に処理する力、瞬時の判断能力の低下、筋肉の衰えなどが起こります。

そのため車の運転で大切な認知機能と対応能力が低下し、ハンドル操作やブレーキ操作などにミスが発生してしまう確率が上がってしまいます。

それよりももっと問題なことは、高齢者自身がすでに何十年も車の運転をしてきた経験があるため、運転に自信があることが多いことです。

もちろん誰も好きで事故を起こす人はいません。
それでも実際は、若いときと比べると運動能力や判断能力が低下してくることは間違いありません。

ですが、高齢者自身がそのことを認められるかどうかが一番重要な問題です
「俺は運転に自信がある」
「何十年も無事故で車を運転してきた」
などと、自信が過信となっているふしがあります。

また、身体的な理由だけではなく、買い物や病院に行くために車が必要という理由から高齢となっても運転をし続けているということがあります。

それと、都会と地方では高齢ドライバーの問題も少し違ってきます。
地方の町では移動手段として車がないと生活が非常に不便になる。
もっというと生活が成り立たたなくなるといった地域がたくさんあります。

高齢ドライバーを取り巻く状況は様々で、簡単には割り切れないのです。

ここで高齢ドライバーによる大きな問題点をまとめると、
〈問題点〉
1 運転歴が長いがゆえに、自信が過信になっていることを本人が気づいていない。
2 生活手段として車がないと不便なので手放すことが出来ない。


【高齢ドライバーによる事故を無くすための提言】
〈免許利用に制限を設ける〉
現時点では、65歳以上の高齢者には高齢者講習が義務づけられています。
ですがそれはあくまで免許の更新を前提としたものであって、試験ではありません。
よほどのことがなければ免許を取り上げることは出来ません。
こうしたことはマスコミにおいても言われていることなので、ここではあまり論じません。

私が提言したいのは、一定の年齢になったら免許を失効させることが出来る免許停止制度を設けることです。

やはり高齢になればどんなに運転に自信があっても運転経験が長くても事故を起こすリスクは上がります。

スポーツ選手が体力の衰えを感じて引退するように車の運転にも引退があっていいと思います。

ここで別な角度から話をすると、現在日本の法律では運転免許証を取得できるのは満18歳からです。
身体機能だけでいえば15歳でも17歳でも車を運転できる身体機能は持っているはずです。
ですが、責任能力、金銭的な問題、成人していないなどの理由で許可されていないのだと思います。

運転免許証を取れる年齢は制限されているのに、運転免許証が使用できる年齢制限がないのはなぜでしょうか?

はっきり言えば、運転免許証に関する法律が古いのです。
時代や環境、技術はどんどん変わっていきます。
でも法律はいつの間にか時代の状況に置き去りにされていきます。
法律が作られた時代と今の時代が変わり過ぎていたら、法律を変えなくてはならないのです。

こうした運転免許証の制限を設ける法律を作ることが難しいのは、現実的に高齢者が生活のために車を利用しているということです。
つまり、すでに多くの高齢者が車を利用している現実があるため、それを急に明日から運転できなくなりますということになると社会が混乱するからなのです。
さらに言うと、法律は議会(立法府)により作られますが、法律を制定する議員にとって高齢者は選挙権を持つお客さまのような存在です。
ですから車がないと生活が出来ないという高齢者の声があれば、国会議員が運転免許証に期限を設ける法律を作りづらくなるのです。


別な角度から話をすると、運転免許証は、教員免許やその他の資格とは大きく違う点があります。
それは肉体を使用するという点です。
スポーツほどの運動量はないけれども肉体の機能である眼、耳、腕や足などを使って操縦するということは間違いないことです。
肉体を使用するならば引退の時期があってもいいのではないかと考えます。

これは未来に完全自動運転のAI自動車が開発されれば話は変わってきます。
AIによる完全自動運転、つまり行き先を告げればあとはAI自動車がすべての運転を行ってくれる時代になれば、80歳であろうが90歳であろうが車の利用が可能となります。

AIによる完全自動運転車の出現はまだ先のことです。
その前に運転免許証の使用できる年齢制限を設けることを提言します


〈高齢者専用の車両の開発・販売〉
私が提言したいもう一つは、高齢者専用の車両の開発と利用義務です

身体機能の衰えた高齢者専用の車両を政府主導で自動車メーカーに作らせます。
そして一定の年齢になったら高齢者専用の車両以外で運転することを禁止します。
逆にいうと、高齢者専用の車両に対して補助金を出すか、値段を安くするなどの対策を立てて高齢者が高齢者専用の車両に乗り替えられるように推進します。

 

〈高齢者専用の車両の特徴〉
*AIによる運転監視システムを搭載する。
・AIに正常な運転操作を学習させ、運転車が誤った運転操作をしたときはスタートしな  い、自動的にブレーキがかかる、などのシステムによりヒューマンエラーを防ぐ。
・車のエンジンをかけた瞬間から、運転指示、道路状況、歩行者の存在、信号などの情報を音声と画面表示により運転者に伝える。

基本的に高齢者専用の車両とは、自動車教習所で運転技術を習うときに常に助手席に教官が乗り込んでいますが、その役割をAIが担うものと思ってください。
教官は教習者に運転指示をだします。
そして、万が一運転者がミスをして危険なときは教官が助手席に設置されたブレーキを踏んで強制的に車を原則または停止させます。
それと同じことをAIにさせるのです。
つまり、AIという教官が一緒に乗り込んでいるということです。
AI教官が高齢ドライバーの間違った操作、危険な運転を常時チェックして危険を回避するのです。


【事故のない世の中を願って】
こうしたAIシステムの開発を国家命令によって自動車メーカーに製造させ、高齢者が利用できるように推進していくのです。

これならば、車がないと生活できない地域でも高齢者は車のある生活が可能になります。

悲惨な事故を防ぐためにも、完全自動運転の車両を一年でも早く開発させることです。

完全自動運転の車両が開発された未来社会においては、高齢ドライバーによる事故は皆無となっているはずです。

そして現在の時点において、もっとも有効な対策は、免許証の返納により運転をしないということであることは間違いありません。


お読みいただきありがとうございました。