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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『人体冷凍保存技術で生き返る?』

もし、死んでも未来に生き返ることができたらどうしますか?


【人体冷凍保存とは】
人体冷凍保存(コールドスリープとは、死後の肉体を冷凍保存し、やがて訪れる未来の医療技術の進歩やテクノロジーの発達を待ち、そのとき冷凍から目覚めて生き返るとうものです。
冷凍保存の技術は、液体窒素によって遺体をマイナス196度まで冷やし、大きなガスボンベのような装置(タンク)で保管されるというものです。

つまり、「死」を克服しようとしているのです。
これはいわゆる「永遠の生命」を目指しているわけです。

冷凍保存には、全身の場合もあれば、脳だけ、脳と体の一部だけというケースもあります。
特に大事なのが脳(頭部)です。

どうして冷凍保存して未来に生き返ろうとするか?
それは愛する家族が病気や事故で亡くなったけど、どうしてもまた逢いたいと願う。
または、自分が死を迎えようとしたときに、自分の肉体を保存して未来で生きたいと願ってのことなのです。

脳や頭部だけで冷凍保存されている人の場合は、存在しない肉体を別の元気な人体に付け替えたり、機械の体に脳や頭部を接続して生き返ろうとするのです。

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【秘密結社の存在】
この冷凍保存などのことをクライオニクスと言います。
クライオニクスを提唱しているのは、秘密結社であるトランスヒューマニストです。
トランスヒューマニストとは、人間の潜在意識を引き出し永遠に生きようとする思想です。
この思想をトランスヒューマニズムといいます
クライオニクスはトランスヒューマニストの目指しているものの一つということになります。
トランスヒューマニストが行っていることは冷凍保存以外にもAIとの融合などがあります。


【冷凍保存されている人々】
実際に冷凍保存を行っているのが、アメリカのアルコー延命財団クライオニクス研究所、ロシアのクリオロス社です。

すでに冷凍保存によって死後の肉体を保存している人たちがいます。
今回は有名な方を紹介します。

ビット・コインの先駆者のハル・フィニーという人物をご存知でしょうか?
彼は世界で最も価値の高い暗号通貨の生みの親、ナカモト・サトシの片腕となり、第二の開発者として広く知られている人物です。
そのハル氏は58歳で筋萎縮性側索硬化症(ALS)に侵されてしまい、5年の闘病生活の後にこの世を去りました。
ハル氏は亡くなる前から自分の遺体を冷凍保存して欲しいと希望していました。
そこで彼の遺体は、現在450リットルもの液体窒素で満たされた304㎝もあるタンクの中で保管されています。
体内の血液や体液は抜かれています。
血液などの液体があると冷凍保存できないからです。


別な事例では、
タイ人のマセリン・ナオバラトポンちゃんという2歳の女の子が冷凍保存されています。
人体冷凍保存されている人の中では最年少となります。
マセリンちゃんは脳に出来た腫瘍が原因で亡くなりました。
マセリンちゃんは亡くなるとき、左脳の80%を失っていました。
そのため彼女は実質的に右半身がマヒ状態でした。

マセリンちゃんの死をどうしても諦められなかった両親が、マセリンちゃんの体を冷凍保存することにしたのです。
もちろん将来的に再会できると信じてです。
マセリンちゃんの冷凍保存を依頼した先がアメリカのアリゾナ州に本拠地を置くアルコー延命財団でした。
マセリンちゃんの場合は、脳と体が冷凍保存されています。
彼女の両親は、いつか娘が復活することを夢みているのです。
このとき冷凍保存に掛かった費用が2400万円だといいますからかなり高額ですね。


【人間とはなにか】
この人体冷凍保存という問題は、「人間とはなにか」「人生とはなにか」という根本命題に行きつきます。
人体冷凍保存をして、いつの日か蘇ろうとする思想は、結局のところ人間を肉の塊と見ているということです。
つまり、唯物論ということです。

失った肉体は、機械や他の人間の体を代替すればいい。
脳の記憶さえあれば蘇ることができるとするものです。

これでは人間は機械となんら変わりありません。
電化製品や機械と同じように故障したら、部品を交換して使い続けるというものでしかありません。
果たして人間は機械でしょうか?
人間には感情があります。
それは脳の作用ではなく、心という目には見えない存在が生み出したものであると思います。

人間の記憶だけがその個人のすべてであり、記憶(データ)さえあれば同じ人間が蘇るのなら、個性というものは存在しないと考えます。

それでは人間がサイボーグやアンドロイドと同じになってしまいます。
やはり、「人間は機械ではない」と考えます。


【個人的な意見】
全身が冷凍保存されている人もいれば、脳や頭部だけが冷凍保存されている人もいます。
たとえ、未来の医療技術が進歩して、100年後、200年後に蘇ったとしても、そのときは家族や友だちが誰もいないことになります。

それでも蘇ろうとするのはどうしてでしょうか?
たしかに愛する人の死も自分が死んでいくことも悲しいことには違いありません。

ですが、もし人間という生き物が永遠の命を持ち始めたら地球の人口は増えるだけになってしまいます。
すると、限りある資源をめぐって戦争が起きてくることは必然です。

さらに冷凍保存の装置が未来まで機能しているのかどうかも分かりません。
途中で故障することも、また戦争、天変地異などで破壊される可能性もあります。
ですから、冷凍保存したとしても未来に蘇ることができるかどうかは分かりません。

もし、人体冷凍保存ということが現実に起きてくるということは、死んでもまた生き返ることができることになります。
そうすると「人の死」というものが軽く扱われるようになることは明白です。

ただ、有人宇宙旅行や惑星探索などの宇宙船の中で、こうした冷凍保存を行う技術が科学の進歩により実現し、使用するのなら賛成します。

ですが、わたしは、絶対に冷凍保存などしません。
わたしが死を迎えるのなら、肉体は灰となり、魂としてあの世へいきます。


お読みくださり、誠にありがとうございました。