『危険じゃないの? IoTがもたらす便利な生活』
あなたは「便利さ」を手にするためにプライベートを犠牲にできますか?
【IoTとは】
最近よく耳にする言葉に「IoT社会」という言葉があります。
IoTとは、「モノのインターネット」と呼ばれていますが、簡単にいうと家電や車、エアコンなどのモノがすべてインターネットにつながっていることを言います。
つまり、それ以前はインターネットに接続する端末としては、PCや携帯、タブレットなどでしかつながりませんでした。
それが身の回りにあるものがみんなインターネットと接続している状態になるということです。
「IoT」には二つの意味があり「知ること」と「操作すること」という特徴があります。
つまり、モノを通して知りたい情報を知り、その情報を元にして自分のしたいことをインターネットに接続した家電などに指示を与えて操作することができるのです。
つまり、「遠隔地から操作できる」ということです。
【IoTで暮らしはどう変わる?】
一言でいうと、大変便利になることは間違いありません。
その便利になるというのは、離れたところからでもいままでその場(自宅など)にいなければできなかったことが、遠隔操作することで出来るようになるということです。
例えば、
急いで外出したときに自宅の鍵を施錠せずに出てきてしまった。
気づいたが戻ることが出来ない。
そこで自宅の玄関ドアにネット接続して施錠する。
また、さらに進んだ機能として施錠していないことをスマホに知らせてくれる。
例えば、
外出から戻るときにすぐにお風呂に入りたい。
そこで自宅の湯沸かし器に接続して、帰宅時間に合わせてお風呂を沸かしておく。
例えば、
見たいテレビ番組の録画を忘れた。
そこで自宅のテレビに接続して、予約を入れる。
例えば、
独り暮らしの人が帰宅するときに、家が真っ暗で寂しいと思ったら、帰宅時間に合わせて電気をつけておく。
例えば、
帰宅するのが遅くなってペットのことが気になった。
そのときに室内のカメラでペットの様子を確認して安心する。
このように、遠隔地から自分のライフスタイルにあったことを操作することが可能になります。
【IoTとAIが結びつくとどうなる?】
ここではっきりとさせるのが「IoT」と「AI」は違うということです。
AIは人口知能のことで、IoTはモノがインターネットに接続しているということです。
このふたつが結びつくとさらに便利になります。
つまり、人間が単純に情報を掴み、遠隔地などから操作するというのが単純な「IoT」ですが、これに「AI」が加わると人間が情報収集し、家電などの操作をしたりしなくてすむようになります。
(究極はなにもしないでいいのです。)
勝手にAIが、情報を集めて判断して、モノを動かしてくれるのです。
AIはその人間の生活パターンや必要とするモノ、趣味、趣向などを毎日データとして蓄積していきます。
例えば、
毎日晩酌する習慣を持つ家主の生活パターンを把握しているAIが、缶ビールの在庫が完全になくなる前に注文を入れてくれます。
つまり、先回りしてやって欲しいことをしてくれるのです。
また、人間の顔色や微妙な仕草、体温などから体調の変化を読み取って病気になる前に警告したり、予想される病名を診断したりして、「どこそこの病院に行け」などと進めてきます。
データが蓄積されてくると、「お茶を飲みたい」と思うとお茶が出てきます。
毎朝起きて新聞を読む人なら、AIがタイミングよく持ってきてくれます。
廊下を歩いて別の部屋へ移動しようとすると、ドアを自動的に開けてくれます。
もちろん閉めてもくれます。
玄関の鍵なんて閉める必要はありません。
だから鍵は必要ありません。
家主の顔認証、または音声を認識して鍵の開け閉めをしてくれます。
つまり、考えていることを先回りしてやってくれるのです。
プライベート情報が大量に集まれば集まるほどそうなります。
これを便利と言わずしてなんというのでしょうか。
【便利な社会の落とし穴】
基本的に人間というものは、便利なものを求めるものですし、一度便利さを味わってしまうと、それ以前には戻ることは出来なくなります。
AIが本格的に開発されようとしていることと、便利さを求めるいまの時代の流れは止められません。
ですから、やがてモノのすべてが、または街中がインターネットに接続している社会になっていきます。
そうした社会は手放しで喜べるものなのか? ということです。
実は、所有する車などを含めた自宅にあるものすべてがインターネットに接続するということは、落とし穴があります。
それは、プライベートな情報をすべてさらけ出していることであるのです。
ですから、自宅にあるAI端末(IoTの中心端末)などに赤の他人が勝手に接続してきた場合は個人情報が抜き取られてしまいます。
まさに裸の王様状態です。
生活のすべて、趣向などの知られたくないことを知られてしまう危険があるのです。
また、ハッキングされた場合、他人が勝手に遠隔操作してあなたを監禁したり、イタズラしたりするかもしれません。
その延長線上に犯罪が起きてきます。
他にもインターネットに接続して動かすようになるということは、もし不具合が起きたときになにも出来なくなる可能性もあります。
ご飯が炊けない。
お風呂に入れない。
自宅に鍵が掛けられない。
そして、一番怖いのは停電です。
実はこの問題はなにも「IoT」や「AI」に限ったことではなく地球全体として人類が抱えている問題でもあります。
いまの文明を支えているのは電気なのです。
災害やテロなどによって電気が仕えなくなると私たちの生活はなにも出来なくなります。
電気というエネルギー源が断たれると、PCもスマホも炊飯器も照明も使えなくなります。
(そう簡単には電気がまったく使えなくなるという状況は発生しません)
ただ、こういう弱点を含んでいるということです。
あくまでも可能性の問題ですが、詐欺師などの悪いやつがIoTに入り込んで盗聴ならぬ盗情報をするかもしれません。
そのときに盗まれる情報は、以前の社会ではほぼ流出しない情報です。
便利な世の中であるがゆえに情報流出が起きる可能性があるのです。
これからの便利な「IoT」社会とは、個人情報の危険と背中合わせなのです。
これからくる便利な生活(IoT社会)はプライベートと引き換えに手に入れるものなのです。
もちろんその個人情報はそう簡単には表に出てきませんが、その個人情報をどこかで誰かが把握しているということは事実なのです。
個人情報がどこかに集められているということは間違いのないことなのです。
(悪用されなければ問題ではない)
かといってプライベートを守りたいから、我が家(私は)「IoT」にしないと主張しても、社会全体がその方向に向かっているので、それは非常に難しい選択になります。
ですから、プライベートをいかに守るのかという倫理をしっかりと先端技術の中に組み込むと同時にそれに反する存在がでることを予想して、その対策を同時に進めていくことが重要です。
だって、世の中には悪いことを考える人が必ずいるのですから!
お読みくださり、誠にありがとうございました。