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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『貧困女子問題について考える』

貧困女子問題について考える!


【貧困女子とは】
貧困女子とは、年収が125万円以下の女性のことを意味します
一般的に言われている貧困女子の定義は、手取り月収から家賃を引いて手元に残っているお金が8万5000円以下の人たちのことです。

その人数は増加傾向にあり、日本が抱える社会問題のひとつとなっています。
統計によると、成人女性のおよそ3割が貧困女子に当てはまっていると言われています。

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【貧困女子のリアルな心情は】
貧困という言葉はちょっとキツイ言葉ですが、今日はあえて使わせてもらいます。

貧困という状態になる理由は人さまざまですが、いくつかの理由が挙げられます。

・奨学金を利用して大学に通ったため、奨学金の返済がある。
・男性と比べて女性の賃金のほうが安いこと。
・シングルマザーで子育てをしながら働いている。
・社会全体の経済状況が良くない。(消費税の増税、物価の上昇など)

大学に通うために奨学金を借りると、平均で400万円くらいの返済をすることになります。
その返済が負担となります。

ですが、奨学金を利用しているのはなにも女性だけではありません。
男性も同じように借りています。
なのに、男性に比べて女性の貧困率が高くなるのは、賃金が女性のほうが安いからです。

さらにシングルマザーの場合は、子育てのために仕事を休まなければならないことも出てくるので収入が下がります。
現在123万人のシングルマザーがいますが、その半数が貧困に苦しんでいると言われています。
その大きな要因が養育費の未払いなのです。
厚生労働省の調べでは、養育費を受け取っていない世帯は73.9%にもなります。

さらには、物価の上昇も家計に負担をかけています。
1989年は3%だった消費税が今年(2019年)に10%に引き上げられました。
そうしたことが影響して相対的貧困率は年々上昇しているのです。

消費税の引き上げは経済活動を冷やしてしまいます。
経済活動が低迷すれば、企業は人減らしやコストダウンをします。
その影響として給料が上がらないということに繋がります。

 

【ライターが語る貧困女子について】
『東京貧困女子』や『名前のない女たち』などの著者であるノンフィクションライターの中村淳彦氏は、これまで20年以上貧困に喘ぐ女性を取材してきました。
しかし、ここ7~8年前から少し社会が変わってきたと言っています。
それは普通の人が貧困になってきているといいます。
ここで言う普通の人とは真面目に働いているという意味です。
つまり、普通に働いているのに貧困になってしまっている人たちが増えているということなのです。

中村氏が以前に取材してきた貧困女子は、クレジットカードを使いすぎて借金をしたり、親や祖父母の時代から貧しい家庭に育ってきたという人であったりして、きちんと働けない分かりやすい理由があって貧困に喘いでいたのだと言います。
中村氏に言わせれば貧困女子に関しては“いまが最悪”だと感じているようです。
それは、女性の貧困は下がり切ったので、これからは男性の貧困が始まると述べています。
男性の場合、40代より上の世代が危険だと言います。
それは正規雇用だと年齢が上の人のほうが賃金は高いので、それを賃金が安い人に切り替えようとする社会的な風潮が現れてくるということです。

中村氏はさらに恐ろしい予想をしています。
このままいくと将来、スラム街のような地域ができてしまうほど社会は落ち込んでしまうかもしれないと述べています。 

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【貧困と心の問題】
やはり生活費の心配をしながら、食費を削り光熱費を節約し、欲しいものを我慢するキツキツの生活をしていると心に余裕がなくなります。
心の余裕がなくなることで、家庭の中がギスギスしたり、家族関係がうまくいかなくなったりしてしまうことも多いのです。

悲しいことに世の中は「金の切れ目が縁の切れ目」ということがたくさん起きています。
つまり、お金がない、あるいは少ないことで生活に困窮し、そのことで夫婦関係に亀裂が走り、親子がいがみ合い、家族が離れてしまうこともあるのが現実です。

中国の孔子が「衣食足りて礼節あり」と喝破したことが人間の真理なのかもしれません。
とても悲しいですが、お金のないことを一緒に乗り越えようとするのではなく、いがみ合い憎しみ合う原因となってしまうのです。

経済的困窮は心の余裕を奪っていき、人間関係まで壊してしまうことがあるということです。

 

【貧困に手を差し伸べる活動】
貧困になってしまった人に手を差し伸べてくれる団体があります。
それはNPO法人「ほっとプラス」です。
(ほっとプラスは埼玉県を中心に活動しています)

〈活動内容〉
貧困になってしまった人の生活の相談に乗っています。
10代から80代までいろんな世代の人たちが相談に訪れているそうです。
最近増えている相談は住居に関することで、友人宅を転々としたり、ネットカフェで寝泊まったりしているなど、住まいが不安定な人が増加傾向にあるといいます。

さらに貧困に喘いでいる人の支援活動を行っています。
衣食住の支援を行っています。

ほっとプラスに寄せられる貧困に喘いでいる人たちの声を拾っていくと、自分で働いた給料だけでは生活が成り立たないという人たちがいまの日本社会に広がってきているのです。
これは欧米にも広がっていることで、日本だけの問題ではないのです。

 

【AIロボットと貧困の関係】
未来に目を向けると、この貧困ということが別の要因から発生することが予想されます。
それは、AIやロボットが社会に浸透し活躍することで、仕事を奪われ困窮することになる人が出ることです。

また、AIやロボットなどの新しい世の中の波に乗る人と波に乗れなかった人の間で格差が生まれる可能性もあります。

さらに個人的に恐れているのが、体内にマイクロチップを入れてAIと繋がったり、肉体の一部を機械化する人との間で能力に差が生まれる世界(時代)が来ることです。
つまり、肉体の一部をサイボーグ化した新人類と生身の肉体のままの旧人類との間で格差や紛争が起きる可能性が未来にはあります。
機械化した新人類は富を独占し富裕層となり、機械化していない人類を支配するかもしれません。
その場合、支配された人類は貧困するしかない人生をおくらなければならないかもしれません。

 

【個人的な意見】
貧困の問題は、女性だけに限りません。
男性でもそうですし、高齢者の貧困問題はもっと深刻です。

この問題は複数の切り口から述べることが出来ますが、ひとつ言いたいことは、こうした貧困女子や困窮する高齢者がいるのも関わらず消費税を増税する暴挙にでる政府の間違いを指摘したいです。
社会保障費が不足するからなどと言っていますが、要するに国家経営の経営者である政府が国家経営に失敗した、ということでしかないのです。
なのに、その失敗のツケを国民に押し付けるのは、時代劇に出てくる悪代官そのものではないでしょうか。

経済の不況が続き、社会に困窮している人がいるのなら、増税ではなく減税すべきではないでしょうか?
それを高額な報酬をもらって権力の座に胡坐をかいている権力者たちは困窮する女子や高齢者を見捨てるような政治しかしていないことに憤りを覚えずにはいらません。

いつの時代もどの国家でも貧富の差というものは無くなりません。
それが人類の歴史の法則です。
ですが、政府や公共機関がある理由は、個人が自分で働いた収入で人間らしい暮らしができるようにすることではないでしょうか。
働いても生活が困窮してしまう社会の責任をいったい誰がとるのでしょうか?
努力すれば働けば人間らしい暮らしができる世の中にしなければいけません。


この問題は一回の記事で結論や答えがでることではありません。
また別の機会に取り組んでみたいと思います。


お読みいただきありがとうございました。