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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『ナノマシンが人類を滅ぼす?』

ナノマシンという超微小ロボットを知っていますか?


【恐怖の殺人ロボット】
みなさんは殺人ロボットと聞いてなにを思い浮かべますか?
恐らく「ターミネーター」のような人間型の殺人兵器を思い浮かべるのではないでしょうか?
それは見た目には人間そっくりなのにも関わらず、生身の人間では歯が立たない攻撃能力を有し、感情を一切持たない冷酷なロボットとだと思っていませんか。

恐らくそうしたロボットも出現してくる可能性はありますが、もっと怖いロボット兵器があるのです。

映画「ターミネーター」にあったように目に見える殺人兵器ならば、対抗手段によっては人類が勝つことも出来るかもしれないと考えても不思議ではありません。
サイボーグだろうとロボットだろうと、結局は動力源(エネルギー源)を必要としますし、物理的に破壊することも可能かもしれません。

しかし、目に見えない殺人ロボットが現われたらどうしますか?

 
【肉眼では見えない殺人ロボット】
実は人間の肉眼では見えないロボットが考え出されているのです。
それは「ナノマシン」です。

ナノマシンの「ナノ」とは、1ナノメートルという大きさの単位に由来する言葉です。
1メートルの1/1000が1ミリです。
その1ミリを1/1000にしたものを、1マイクロメートルと呼び、さらに1マイクロメートルを1/1000にしたものが1ナノメートルなのです。

人間が肉眼で見ることができるのは、0.1~0.5ミリメートルの大きさのものまでと言われています。
細胞や細菌はマイクロメートルの大きさなので肉眼では見ることはできません。
ナノメートルという単位はウィルスと同じくらいの大きさということなのです。
つまり、ナノマシンにとは、とても人間の肉眼では見ることができないほどの小さいものだということです。

「ナノマシン」とは、ウィルスと同じ程度の大きさしかない「超微小ロボット」のことなのです。

 

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【現状のナノマシンの使い道】
本来「ナノマシン」は医療用として開発されたものです。

2009年に名古屋大学の生田教授が「光で駆動するナノマシン」を開発しています。
他にも血液から作った電力や人間の細胞に存在するアデノシン三リン酸を動力として動くナノマシンなどが次々と研究されています。

ナノマシンは現時点では主として医療における活躍を期待されています。
もっとも期待されているのは、「ガン治療」です。
ナノマシンを操ることで、抗がん剤を直接ガン細胞の届けることが可能になります。
それによって抗がん剤の副作用を抑えられることが可能になるかもしれません。

もっと良いことは、病気を発症する前からナノマシンを体内で走らせておくことで、常に病気を監視させ、事前に病気の発症を防ぐことが出来ると考えられています。

そうなると健康診断や人間ドックは必要なくなります。


【ナノマシンが人類を滅ぼす?】
ナノマシンが病気の原因を調べて、ウィルスを撃退してくれるだけならば人類にとってこんな良いことはないのですが、実はナノマシンには落とし穴があるのです。

それは、例えばインフルエンザウィルスなどが体内に入るとやがて時間の経過とともに増殖してあっという間に数百万個までウィルスが増えてしまいます。

では、そうしたインフルエンザウィルスに対抗するために医療用のナノマシンをどれだけ体内に入れておけばいいのか。
それは莫大なコストがかかります。
それに後からナノマシンを投入してもインフルエンザウィルスの増殖に間に合わないかもしれません。

ならば、どうするのか?
そう、ナノマシン自体にも自己増殖機能を持たせるのです。
そうすれば増殖するインフルエンザウィルスを撃退することが可能となります。

ですが、そこが落とし穴です。
もし、ナノマシンにエラーが発生したり、外部からナノマシンを操られたりすれば人間の命が危うくなります。

万が一、ナノマシンが暴走し、自己増殖し続けたら殺人兵器と変貌してしまうのです。
宿主の身体から飛び出したナノマシンは空気中を飛びまわり、他の人間を含めた動物の体内に吸入されてしまいます。

すると病気を治す目的とは正反対に人類の身体を食い破っていくことになりかねません。

ある説によるとナノマシンが暴走した場合、わずか数時間で地球上のあらゆる生き物が食べつくされてしまうという話も浮上しています。


【映画で表わされたナノマシンの話】
ナノマシンが人間の制御を離れて、勝手に増殖して地球をナノマシンで埋め尽くすことを「グレイ・グー」と呼びます。

このグレイ・グーを題材にした映画に「地球が静止する日」というものがあります。
主演はキアヌ・リーブスとジェニファー・コネリー。

キアヌ・リーブスが演じるのはクラトゥという宇宙人で、彼のゴートという巨大ロボットが最終的にナノマシンに姿を変えて、地球をグレイ・グーにしていくという映画です。


【個人的な意見】
科学者の多くは人間を救おうと科学や技術の進歩に貢献しています。

しかし、いつの時代でもその技術を間違った方向に転用しようと考える人間がいます。

ナノマシンは人間の病気を圧倒的に救う救世主ともなれば、人類を滅亡させてしまう兵器ともなりうるのです。

開発と使用には、ナノマシンの暴走と悪用を何重にも防止する措置を施す必要があります。

個人的には、現時点では、もしガンになったとして医者にナノマシンを使うかと聞かれたら「止めときます」と答えます。


お読みくださり、誠にありがとうございました