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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『AIによって孤独死は防げるのか?』

AIの進歩によって増加する孤独死を防げるのか?

孤独死の実態】

孤独死、それは「誰にも看取られることなく息を引き取り、相当期間放置されるような、悲惨な孤立死と定義されています。

文面にある「悲惨な孤立死」という言葉を聞いただけで、悲しい気持ちになります。

孤独死の原因】


では、なぜ孤独死が起きるのか、または増えているのか、ということが問題です。

孤独死の多くは中高年です。
原因としては、
1. 子供が離れたことで孤立した。
2. 離婚したことで孤立した。
3. 失業、退職などで孤立した。
4. 核家族化が進んだ。 

 【増加する孤独死


ここで問題なのは、「失業、退職、離婚などで仕事と家庭を失って孤立する中高年の男性」が増加しているといことです。

男性は仕事を失うと急に元気がなくなって家に閉じこもってしまうことが多いのです。
さらに、女性のようにコミュニティと繋がりを持つことが少なく、家族以外の人との接触そのものが極端に少ないのです。
それに輪をかけるのが男性特有の自尊心です。

孤独死する男女比は、男性が女性の2倍多いです。

孤独死」は中高年だけの問題ではありません。
若年齢の人でも「孤独死」は起きています。
20代の男女で約100件。
30代の男女で約150件。

ただし、20代、30代だと働いているケースが多いため、会社が数日無断欠勤の状態となったときに心配して何らかの行動をとることが多いので、それほど深刻な「孤独死」にはならないのです。

ですから、問題は「失業、引退、離婚などで引きこもる中高年」の世代です。
それも特に男性です。

このまま核家族化が進み、現在親と同居している中高年の人たちの親が亡くなったときに、「家族難民」となってしまうと予想されている人の数は数百万にのぼると言われています。

驚くことに、2040年の孤独死は年間20万人と予測されています。

 

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孤独死を防ぐAI】

こうした孤独死を無くそうとする動きも出て来ています。

〈まもるくん〉
そのひとつに、信州大工学部と秋田県立大システム科学技術学部が、開発した「まもるくん」があります。
「まもるくん」は、人の動きなどを感知するセンサーとAIを組み合わせて、高齢者の事故や孤独死を防ぐ見守りシステムです。

見守る対象の方が就寝や外出といった日常の動きを検知して情報を蓄積し、AIが「異常」と判断した場合に登録されている家族らに通報します。

加えて室内に置く動体検知センサーを備えた「センサーエージェント」が人間の動きを検知します。また、枕やベッドに付けた圧力センサーなどの情報を集めて離れた場所にあるサーバーに送信します。
他にも家族のスマホなどに情報を送ります。
ですから、常に利用者の生活を見守り、「異常」がないかを判断し続けます。
(ただし、こちらは実用化にまだ時間が掛かります


〈おるけん〉
「おるけん」も見守りサービスですが、こちらはいまのところ福岡市内限定のサービスのようです。

こちらのサービスはどちらかというと医療用に近い感じです。
「anco」という在宅医療用対話ロボットを独り暮らしの家庭において位置を確認します。
また壁などに設置するセンサーにより、心機能と呼吸機能をチェックして異常がないかを見守ります。
「anco」は卵型で人間の形はしていないです。

この「おるけん」の特徴は、「みまもり看護師」と呼ばれている経験豊富な看護師が24時間見守ってくれ、何かあればすぐに対応してくれるところです。
緊急ごとだけではなく、ちょっとした相談にも応じてくれるのが嬉しいところです。

【AIによって孤独死は防げるか?】


「まもるくん」と「おるけん」に共通しているのが、使用するユーザーを高齢者としているところです。
技術的には、AIロボットとセンサーを組み合わせて対象者を見守っているところです。

AIの機能によって人間の体調を見守っていくことは現在の技術でも十分可能です。
ですが、問題はコストです。

24時間看護師が対応するということはそれなりの料金がかかるでしょう。

孤独死の問題は、貧困というもうひとつの問題を抱えているケースが多く、金銭的な負担がかかると利用する人が限られてしまいます

それと、重要なのは離れていても家族がいれば対象者に問題が起きたときに知らせることができますが、まったく身寄りがない人、家族がいない人の場合は知らせる相手がいません。
そうなると知らせる(相手)家族がいないから、そういったサービスは必要ないと考える人がでてくる可能性もあります。

それと最大の課題は、やはりコミュニケーションの問題です。
つまり、単に病気になっていないか、怪我をしていないかということを見守るだけでは意味がないということです。

単に見守るだけでは死そのものを救うには力不足です。

人間にとって一番怖いのが「孤独」です
誰も話す相手がいない。
一緒にご飯を食べる家族がいない。
そうしたことは人間から生きる気力を奪っていきます。
ですから、こうした見守りAIにコミュニケーション能力をもっと持たせるべきです。
それによって生きることが楽しいと感じてもらうことが何より大切です。


金銭的な問題。
知らせる対象がいない人の問題。
コミュニケーションの問題。
この課題を克服する必要があります。

【個人的意見】


今後こうした見守るためのAIは徐々に増えていくでしょう。
増えると同時に用途が拡大して普及することになるでしょう。

しかし、わたし個人の意見としては、人間は人間と暮らすのが一番良いと思っています。
ですから、未来の社会においてもう一度昔の家族主義的な暮らし(2世代、3世代がひとつ屋根の下で暮らす生活)を見直すことが出来ればいいと考えています。

ただ、大学進学のために上京するとか、転勤で単身赴任するとか、仕事で実家を離れなければならないという事情もあるでしょうから、仕方がないこともたくさんあります。

わたしが言いたいのは、出来れば、可能ならば、出来る限り、家族が一緒に暮らすスタイルをもう少し大切にしてほしいということです。

〈提案〉
それと見守りを単に看護婦や家族とつなげるだけではなく、ネット接続の範囲を広げて、孤立している人たちを結んでいくことがなにより重要な気がします。
独り暮らしで寂しい思いをしている人たちどうしを繋げることです。
たとえ室内には一人でも、テレビ電話などで繋がって見えないコミュニティを形成して友人関係を作ることが出来れば、お互いに励まし合い、語り合い、支え合って生きることが出来ます。
そうしたシステムが出来れば孤独死は減るように思えます


お読みいただきありがとうございました