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「(旧タイトル:サーチライト)AIなどの最先端技術と人間の幸せが両立する社会を実現(目指す)するための提言」

『冤罪は許されるのか?(殺人)』

冤罪は許されるのか(殺人)!

 

【あるテレビ番組を観て憤慨する】
今回も引き続き、テレビ東京が放映した「0.1%の奇跡!衝撃 逆転無罪ミステリー」という番組を観て、憤慨したことをお伝えしたいと思います。
今回で最後となります。

冤罪は決して他人事ではありません。
冤罪はある日突然襲ってきます。

意図的に無実の人を有罪にしてしまうということは許しがたい行為です。

2019年3月28日、この日平成史に残る冤罪事件が幕を下ろしました。
みごと逆転無罪が言い渡されたのです。

ですが、無罪を勝ち取るまでにかかった時間は34年間
とてつもなく長い時間でした。

 
【事例3:「飲み会で口喧嘩しただけなのに、殺人罪で懲役13年」】
1985年、当時51歳だったMさんは友人たち数人と酒を飲みかわしていました。
それは普段と変わらぬ日常にしか過ぎませんでした。

ですが、3日後にMさんは警察に逮捕されてしまったのです。
刑事は机を叩き「おめーがやったんだろう」と自白を迫ります。
Mさんはやってもいない殺人事件の犯人にされてしまったのです。

殺された人は、あの日一緒に酒を飲んだ友人の一人でした。

Mさんが疑われた理由は、飲み会があったときに殺された友人と口喧嘩をしたからです。
そのことを警察は殺人の動機と考えて、Mさんが殺人犯と決めつけてしまったのです。

たしかに口喧嘩をした事実があれば、動機が完全にないとはいえません。
ですが、どの程度の口喧嘩なのか。
さらに普段からの二人の関係なども調べないと、Mさんが殺人まで行ったとはいえません。
口喧嘩と殺人ではあまりにもかけ離れています。

しかし、Mさんは刑事の威圧的な取り調べに耐え切れず、「わたしがやりました」と犯行を認める供述をしてしまったのです。
もちろん、本当はやっていません。
刑事の恫喝に耐え切れなくなって、楽になりたくて、つい言ってしまったのです。

自白があるのですから、起訴されれば99.9%有罪が確定されます。
これがMさんの地獄の始まりでした。

  

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【捏造された事件】
〈警察が作り上げた思い込み調書の内容〉
口論になり被害者宅を出たMさんは、怒りのあまり自宅に戻り、台所にあった小刀を持ち出すと、血がつかないように古くなったシャツの左袖を破り、小刀の柄の部分に巻き付けた。
そして被害者宅の開いていた引き戸から侵入して、首などをめった刺しにして殺害した。
自宅に引き返し、シャツの左袖を焼却、小刀は血を洗い流し、砥いで証拠隠蔽した。
犯行時刻は午前1時30分頃。
凶器は小刀。
小刀に巻いた血の付いた左袖は焼却。
この3つがMさんの自白とされました。


【壊された人生】
Mさんはその後の裁判で必死に無実であることを訴えます。
「自白は全部嘘である。警察に言わされた」と主張します。
しかし、判決では「懲役13年の実刑」が言い渡されました。
理由は自白に疑いはないということでした。

Mさんは控訴しましたが、敗訴。
結局最高裁で争うことになりました。

Mさんは留置所の中で「このままじゃ殺人犯になってしまう」そう思ったそうです。
家族と離れて息子や孫のことが気になります。
Mさんが留置されている間、孫はイジメられ、家庭は崩壊してしまいました。
長男は、妻と子どもたちを守るために離婚し、家をでることにしました。

Mさんは絶望のどん底に落とされてしまったのです。
そんなときに弁護士のS氏と出会います。

最高裁の途中から加わったS氏は、調べを進めると、この事件が疑問だらけであることに気がつきます。
もっとも気になったのはMさんの自白の強要です。
弁護士のS氏はMさんの無実を信じたのです。
Mさんの自白は、逮捕から63時間にも及ぶ取り調べの中で起きたことだったのです。
腰痛に悩むMさんが動くと、机を叩き「誰が動いていいと言ったんだ」と脅します。
さらに寒さが苦手なMさんに対して、自分たちはコートを着込んだ上で窓を開け部屋の温度をさげ、Mさんが耐えられないようにしたのです。

実は、このとき担当していた刑事は以前にも嘘の自白を強要する過酷な取り調べを起こして、新聞沙汰となっていた人物だったのです。
(こりね~な~!)
本当に警察官なんでしょうか?
ヤクザの間違いじゃないんでしょうか?

調べれば調べるほどMさんの無実を確信した弁護士のS氏は弁護団を組んで最高裁で争う覚悟を決めました。


【矛盾を暴く】
〈犯行時刻の嘘〉
弁護士のS氏が当日一緒に宴会に参加していた夫婦に事件現場で撮られた写真を見せると新たな発見が得られました。
写真にはミカンが写っていたのですが、夫婦の記憶だとミカンなんてなかったというのです。
夫婦の証言が真実ならば、ミカンが深夜に突然現れたことになります。
そんなことあるわけないですよね。
弁護士のS氏は犯行時刻の間違いに気がついたのです。

S氏はさらに調査を進めます。
被害者の幼なじみから話を聞くと、驚きの事実が分かります。

犯行が行われたとされる深夜1時30分から数時間たった朝、交差点で信号待ちをしていた被害者に会ったというのです。
その時間が朝の7時半でした。
つまり、犯行時刻は間違っていたのです。

しかし、その目撃情報を近所の人に話したら、警察がやってきました。
そこで警察がやったことは、事件の新たな情報を得ることではなく、事件の重要な情報を隠蔽しようとしたのです。
警察は「被害者は午前1時30分に殺害されている。なのに朝、歩いてるはずはないですよね?」
「これは殺人事件なんですよ。いい加減な記憶で話してもらっては困るんです」
何度も勘違いだろうと迫り、挙句の果てに始末書を書かせます。
つまり、目撃者にたいする強引な証拠つぶしを行ったのです。

これって犯罪じゃないですか?
警察とヤクザの違いってなんですか?

ありえない!!

被害者の幼なじみは、手にビニール袋を持っていたことを憶えていたのです。
そして被害者がその日の朝に買い物をしたであろう、果物屋に聞き取り調査をしました。
すると鳥肌が立つような重要な証言が得られたのです。
お店の人は、その日の朝、被害者が買い物に来たことを憶えていたのです。

つまりその果物屋への聞き取りで分かったことは、
・午前7時前に被害者が買い物に来ていた。
・被害者は常連客だった。
・レジ袋は白いビニール袋であった。
ということです。

被害者は朝まで生きていたんです。


【弁護団の逆襲】
さらに酷い捜査が判明します。

弁護団は証拠の開示請求を求めます。
通常は開示されないのですが、そのときは運よく開示されたのです。

そこで出てきたのは、小刀を巻くために破ったとされるシャツがそのまま出てきました。
つまり、シャツの左袖は破られていなかったのです。
存在するはずのないものがあった。
警察のあまりにも酷い嘘に、弁護士のS氏は「恐ろしさ」を感じたといいます。

検察が証拠品を捨ててしまえば罪になる。
しかし、裁判でその証拠品を出さないのも検察の自由なのです。
(これがいままでの裁判のシステムなのです)

そんなのってあり?
おかしいでしょ!

結局、警察及び検察は、初めから捜査らしい捜査もしていないでMさんを犯人にしたてあげるために強引に自白を強要して、犯人に仕立て上げたのです。
さらに恐ろしいのは、それだけではなくMさんの無実を証明する情報、証拠を隠蔽していたことです。
警察はMさんの無実を証明する情報を掴みながら隠避していたのです。
信じられません!

月日が流れ、Mさんは13年の刑期を満了します。
Mさんは生活保護を受けてアパート暮らしをします。

Mさんが出所して6年目。
ついに決定打といえる新事実が判明します。

それは凶器と断定された小刀と当日被害者が来ていたセーターが開示された証拠品のなかにありました。
それを突き合わせて調べてみると、証拠品である小刀と傷跡の関係に矛盾が見つかりました。
証拠品の小刀が凶器だとすると、もっと大きな傷跡がついていなければならいことが判明したのです。
つまり、凶器と傷の大きさに矛盾があったのです。
それはMさんが持っていた小刀が凶器ではない可能性が高いことを示したのです。


いよいよ裁判のやり直しができると弁護士のS氏が喜びMさんの元へ行くと。
Mさんは、13年の長きに渡る刑務所生活によって、身体と精神的苦痛を味わったことで認知症になってしまったのです。

そこで裁判を維持するために弁護団は長男を後継人とします。
弁護団は新証拠をもって裁判のやり直しを求める再審請求を提出。

このとき事件から31年の月日がたっていました。
もちろん再審が認められました。

そんなとき訃報が飛び込みます。
Mさんの後継人となっていた長男が亡くなったのです。
裁判での心労が重なったのです。
後継人は次男に生き継がれました。

そして2019年3月28日、みごと無罪判決を勝ち取りました。


【憤慨以外のなにものでもない】
Mさんは34年もの間、犯罪者の汚名を被り、13年の実刑を受け、長男と死別し、孫たちとは離ればなれとなりました。
無罪となったことは、当然です。
しかし、失った時間、家族の絆、生活は取り戻すことはできません。

後継人を引き継いだ次男の方は「事件を作り上げた警察官・検察官は、個人的に謝罪ぐらいしたらどうだ」と言っています。

だいぶ抑えた言い方ですが、無実の人を犯罪者に仕立てあげておいて、謝罪もないというのはまったく理解できません。
そんな社会は受け入れたくありません。

Mさんの気持ちを考えてみてください。
まったくの無実の身で13年間も刑務所に入っていたのです。
わたしがMさんだったら、一日で気が狂ってしまいます。
さらに犯罪者となったMさんが生きていくことは並大抵のことではありません。
経済的に心身的に苦労などという言葉では表せない苦しみを味わったはずです。
その苦しみを警察と検察は考えたことがあるのでしょうか。
許せません!

この冤罪事件を作り上げた警察と検事はMさんと同じように13年、刑務所に入りなさい。
こんなことが許されるはずがありません。

本来法を守り、法に従って善悪を裁く側の警察官と検察官が嘘で塗り固めた冤罪事件を作り上げ、なんの罪もない人の人生を奪っていった。
なのに、賠償どころか謝罪もない。
そんな世の中は間違っている。

マスコミの方、もっとこうした事実を追求してください。
このブログだけでは、弱すぎます。
ネットでこうした情報を拡散し、無実の人の人生を台無しにしといて、呑気に暮らしている人を追及しなければいけません。

なぜならば、冤罪を生み出す人がいる限り、いつか誰かが冤罪被害に巻き込まれるからです。
それがわたしかもしれないし、あなたかもしれません。


ただ、Mさんのケースにしても他の冤罪事件でのケースでもそうでしたが、良識ある弁護士さんがいてくれたことが唯一の救いでした。
弁護士さんの活躍なくしては、無罪を勝ち取ることは出来なかったでしょう。

なかには冤罪にあったのに、弁護士の力が及ばずに無実の人が無罪を勝ち取らずにそのまま犯罪者としてのレッテルを貼られて生きている人もいるのではないかと想像します。

冤罪を生み出した警察官と検察官に言いたい。
Mさんに謝罪しなさい!

何度も言いますが、冤罪被害にあった人に対する、こうした賠償制度がこれからの社会には絶対に必要です。

表には出てきませんが、実は警官による犯罪は非常に多いというデータがあります。
2日に1件、警察官による犯罪がどこかで起きているとも言われています。

もちろん大多数の警察官は正義を守っていると思うし、信じたい、でも、でも、どうしても無くさなければならないのは、犯罪を内部で隠ぺいする体質です。
身内をかばってしまう体質、内部でもみ消そうとする卑怯な体質です。

そうした内部にはびこる隠蔽体質が改善しないかぎり、冤罪は生み出されるとしか言えません。

われわれ市民はいったい誰を信じたらいいのですか?
人間が信じられないのならばAIが正義の番人になるしかないじゃないですか。

こうした事実をネットで拡散して、マスコミを動かすことが市民の取れる防衛手段なのです。

これからの社会に、Mさんのような冤罪が起こらないことを祈ります。

 

紹介記事:

sekennimonomousu.com


お読みいただきありがとうございました。